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パスワークとは

【パスワークとは】

「パスワーク」とは、パスワークの創始者エヴァ・ピエラコスによる1957年から1979年までの間の講義がベースになっているものです。

パスワークは、心理療法が扱う同じ領域を扱うという意味においては「心理療法的な側面、セラピーとしての側面」を含みながら、自己成長、自己変容の基盤として、参加者自らが積極的に自己の内面の癒しと成長、普遍的な霊性へと至るために学び、実践していく「実践様式」でもあります。

エヴァはパスワークについて、「パスワークでは、必然的に心理療法が扱う同じ領域を扱うが、心理療法とは別のものでありまた、単に高次の霊的意識にいたることを目指す霊的訓練とも違うものである。」「私たち人間存在は、スピリット(霊)、マインド、感情、そして肉体的な存在である。パスワークの目的は、これらすべてのレベルを統合していくことにあり、この統合の過程において、私たちの神聖なる本質を十全に体験し、意識的にその中に存在し生きていくことにある。」と述べています。

パスワークの枠組みの中では、パスワークの講師及び個人のセッションなどを提供する専門家・カウンセラーのことを「ヘルパー」と呼び、クライアントのことを「ワークをする人」という意味で「ワーカー」と呼びます。「ヘルパー」になるためには、約7年~10年の個人的・専門的なワークと訓練が必要とされ、国際的な規定に基づき認定を受ける独自の教育プログラムを持っています。

 

 

【パスワークの歴史】

パスワークの創始者エヴァ・ピエラコスは、オーストリアの有名な小説家、ジャコブ・ワッセルマンの娘として1914年に生まれ、ウィーンで育ったプロのダンサーでした。当時は第一次世界大戦後の政情不安定な時期であり、第二次世界大戦において暗雲がヨーロッパ全体を覆いつつある時期でもありました。エヴァは、1939年にアメリカに移住しましたが、その前しばらくの間、スイスで暮らしました。この時期に、エヴァは高度に進化した霊的なガイドのチャネルになり、エヴァを通して一連の講義がもたらされ始めました。エヴァは自己変容の道についての講義内容であるパスワークを発展させている期間に、精神科医であるジョン・ピエラコスと出会い結婚しました。ジョンは、アレクサンダー・ローエンと共にバイオエナジェティクスの共同創始者であり、またコア・エナジェティクスの創始者であります。バイオエナジェティクスとはバイオシンセシスと並んでライヒ派の流れをくむ身体にフォーカスした心身療法であり、ジョンは、エヴァと出会った後に、精神医学、ライヒ派の心身医学、バイオエナジェティクス、パスワークを統合し、コアエナジェティクスとしてまとめあげました。一方エヴァは、ジョンがもたらした心身療法の要素をパスワークに統合し、精神-霊体-肉体を統合していくプロセスを発展させました。1957年から1979年に亡くなるまで、エヴァは個人のスピリチュアルな成長、また学術的側面とスピリチュアルな側面から見た現実についての講義を続けました。これらの講義をまとめたものが、個人の変容・発達のプロセスを語った「パスワーク・レクチャー」です。

エヴァの教えから発展したパスワークは、多くのセラピスト、ヒーラー、スピリチュアル・ティチャーらによる貢献をつうじて現在も発展し続けており、現在は、アメリカ国内の他、カナダ・ブラジル・メキシコ・アルゼンチン・ウルグアイの他、オランダ・イタリア・ドイツなどヨーロッパ各国に広がって指導・実践されています。

パスワークの理論を発展させた代表的な人物として、ジョン・ピエラコスの他に、スーザン・テセンガやバーバラ・アン・ブレナンがいます。スーザン・テセンガは、ゲシュタルト心理学、人間性心理学、エンカウンター・グループ、禅仏教など様々な心理学的・霊的様式を通して自身を癒し学んだ末にパスワークを学び発展させました。著書「防御なき自己」では、パスワークの理論をケン・ウィルバーの理論やユング心理学と比較しながら整理し、パスワークの内的変容のプロセスを具体的にわかりやすく示しています。

また、元NASAの科学者であり、物理学者であるバーバラ・アン・ブレナンは、生体エネルギー(気・オーラ)について科学的・医学的な視点で研究し、生体エネルギーが肉体上の病気に大きく関わっていることを発見しました。パスワークのヘルパーでもあったバーバラは、パスワークの意識の理論を生体エネルギー療法の中の1つに組み込み、独自の療法を構築し、精神力学(サイコダイナミクス)とヒューマン・エネルギーフィールドを結び付けることに貢献しました。

パスワークの書籍はフランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・オランダ語・日本語などに翻訳されています。日本語では3冊の本が出版されています。

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